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「猛暑の中で地震が起きたら、エアコンなしでどう乗り切ればいいのか」
実際にそんな不安の声をSNSや相談サイトで見かけることが増えています。
地震や台風でエアコンが使えなくなる原因は、停電だけではありません。この記事では、エアコン工事のプロの視点から、地震・台風・豪雨で起こりやすいトラブルとその対処法、事前にできる備えまで詳しく解説します。

1. 地震・台風・豪雨でエアコンにはどんなトラブルが起きる?

1-1. 室外機の転倒・落下・位置ずれ

地震や台風の強風によって、室外機が転倒したり、設置台からずれてしまったりすることがあります。

2階のベランダに設置していた室外機が落下する、といったケースも実際に報告されています。

室外機はメーカーの厳しい耐久テストをクリアして作られていますが
それはあくまで「室外機単体」としての強度であり、周囲から飛来物がぶつかったり、揺れで置台ごとずれたりすることまでは防げません。

特に注意したいのは、マンションやアパートの高層階に設置されたベランダ用の室外機です。

高い位置にあるほど風の影響を受けやすく、専用の架台にしっかり固定されていない場合、想定以上の力が加わって転落してしまうことがあります。

戸建てであっても、隣家との距離が近い場所や、風の通り道になりやすい角地では、通常より強い風圧を受けやすい点に注意が必要です。

転倒や落下の衝撃で外装が破損するだけでなく、内部の配管に見えない亀裂が入っていることもあります。

見た目に大きな損傷がなくても、内部で異常が起きている可能性があるという点は、地震・台風によるトラブルならではの厄介なポイントです。

1-2. 室外機の浸水

大雨や豪雨、河川の増水によって、室外機が水に浸ってしまうケースもあります。

庭先や低い位置に設置されている室外機は特にリスクが高く、想定を超える量の雨が吹き込むことで、内部に水が入り込んでしまうことがあります。

近年は、短時間に記録的な雨量となるゲリラ豪雨や線状降水帯による被害も増えており、これまで浸水したことがない場所でも安心できない状況になってきています。

特に、道路より低い位置に建物がある、近くに用水路や側溝があるといった立地の場合は、大雨のたびに水位の変化を意識しておくことが大切です。

厄介なのは、水が引いた後、見た目には乾いているように見えても、内部はまだ濡れている可能性がある点です。

電気回路の部品が濡れた状態で通電すると、漏電や発火につながるおそれがあります。

「水が引いたから大丈夫だろう」と自己判断で運転を再開するのは、最も避けたい行動のひとつです。

浸水の跡が確認できた場合は、たとえ数時間しか浸かっていなかったとしても、必ず点検を受けてから使用を再開するようにしてください。

2. トラブルを見つけたら?絶対にやってはいけないこと

2-1. 自分で室外機を起こしたり動かしたりしない理由

転倒した室外機を見つけると、つい自分で元の位置に戻したくなりますが、これは絶対に避けてください。

室外機と室内機は、内部を冷媒ガスが循環する配管でつながっています。

転倒の衝撃で配管に亀裂や穴ができている場合、無理に動かすとその損傷が広がり、ガスが漏れ出すことがあります。

特に地震で建物ごと揺れた場合、室外機だけでなく配管を固定している金具やカバーも一緒にダメージを受けていることがあります。

持ち上げようとした瞬間に配管が引っ張られ、接続部分が外れてしまうケースも現場では見られます。

「軽く支えるだけなら大丈夫だろう」という判断も避け、触れる前にまず専門家に相談することを徹底してください。

ATTENTION

冷媒ガスに触れるとケガをする恐れがあります

小さな亀裂や穴から漏れ出す冷媒ガスは、非常に低い温度になっていることがあります。
気づかずに触れてしまうと、凍傷のようなケガにつながる可能性があるため、転倒・破損した室外機には絶対に近づいて手を触れないでください。

転倒・位置ずれ・浸水、いずれのケースでも対応は同じです。

自分で対処しようとせず、エアコンを購入した販売店や施工業者に連絡することが、被害を広げないための一番の近道になります。

連絡の際は、可能であれば室外機の状態をスマートフォンで撮影しておくと、電話口での状況説明がスムーズになります。

2-2. 見た目が無事でも安心できない理由

「倒れてはいるけれど、外装には傷が見当たらないから大丈夫だろう」という判断も危険です。

目視では分からない内部の損傷や、配管・配線の緩みが生じている可能性は十分にあります。

実際の現場でも、外観はほとんど無傷に見えたのに、内部の基板や配線が振動で緩んでいたというケースは珍しくありません。

特に設置から年数が経っている室外機は、経年劣化によってもともとの固定が弱くなっていることもあり、地震や台風の揺れをきっかけに不具合が表面化しやすくなります。

また、倒れた状態のまま無理に運転を続けると、たとえ一見正常に動いているように見えても、別の故障を引き起こす原因になることがあります。
地震や台風の直後は「早く元通りに使いたい」という気持ちが強くなりがちですが、まずは状態を確認してもらうことを優先しましょう。

数日程度エアコンが使えない状況になったとしても、無理な自己判断で状況を悪化させるよりは、結果的に早い解決につながります。

3. 停電中・復旧後の正しい対応

3-1. 停電中にやっておくこと

停電が発生した際は、エアコンの電源プラグをコンセントから抜いておくことをおすすめします。

プラグが抜けない設置状況の場合は、エアコン専用のブレーカーを切っておくのでも構いません。

停電の発生に気づいた時点でエアコンが運転中だった場合、そのままの状態で放置してしまう方も少なくありません。

しかし、停電の原因が落雷や瞬間的な電圧の変動である場合、通常の停電よりも機器への負荷が大きくなることがあります。

少し手間に感じても、停電に気づいた段階でひと呼吸置いて対応しておくことが、結果的に本体を守ることにつながります。
⚫︎エアコンの電源プラグを抜く(抜けない場合は専用ブレーカーを切る)
⚫︎停電中は無理に電源を入れ直そうとしない
⚫︎他の家電も含めて、複数の機器を同時に動かさない
理由は、停電が復旧した瞬間、家中の電化製品が一斉に動き出すことで、過電流が流れてブレーカーが落ちたり、エアコン本体に負荷がかかったりすることがあるためです。

停電中にひと手間かけておくだけで、復旧後のトラブルをかなり防ぐことができます。

3-2. 復旧後、すぐ運転再開する前に確認すべきこと

電気が復旧しても、すぐにエアコンの運転を再開するのは避けましょう。

まずはブレーカーの状態を確認し、問題なければ電源プラグを差し込みます。

それでもエアコンが動かない場合は、一度ブレーカーを落とし、数分待ってから再度入れ直すと解消することもあります。

1
ブレーカーの状態を確認してから電源を入れる
2
配管が外れていたり破損していたりしないか確認する
3
室外機やドレンホースに異物が詰まっていないか確認する
特に強風の後は、落ち葉や泥などの異物が室外機やドレンホースに入り込んでいることがあります。

ドレンホースが詰まると、室内機側から水漏れすることもあるため、電源プラグを抜いた安全な状態で確認し、気になる場合は無理せず専門業者に相談してください。

また、復旧直後は同じ地域の多くの家庭が一斉にエアコンや家電を使い始めるため、電力の需給が不安定になりやすい時間帯でもあります。

可能であれば、他の大きな電力を使う家電と時間をずらして運転を再開すると、ブレーカーが落ちるリスクをさらに減らすことができます。

4. エアコンが使えない間の応急対策

エアコン・困る女性

4-1. 冷房が使えないときにできること

停電や故障でエアコンが使えない夏場は、熱中症のリスクが一気に高まります。

窓を開けて換気する際は対角線上にある2カ所の窓を少しずつ開けると、風の通り道ができて効率よく熱を逃がせます。

特に日中の気温が高い時間帯は、無理に室内で過ごそうとせず、近くの商業施設や公共施設など、冷房の効いた場所への一時的な移動も選択肢に入れておくと安心です。

小さなお子さんや高齢の家族がいる場合は、少しでも体調の変化を感じたら早めに涼しい環境へ移動することを優先してください。
・対角線上の窓を2カ所開けて風の通り道を作る
・遮光カーテンやすだれで直射日光を遮る
・こまめに水分・ミネラルを補給する

夏の窓から入り込む熱は、家全体の熱の中でも大きな割合を占めるとされています。

遮光・遮熱カーテンやすだれで直射日光を遮るだけでも、体感温度はかなり変わります。

断水が起きている場合に備えて、日頃から飲料水を備蓄しておくことも大切です。

4-2. 暖房が使えないときにできること

冬場に暖房が使えなくなった場合は、すきま風を防ぐことが体感温度を下げないための第一歩です。

窓・ドア・換気扇などの隙間から冷たい空気が入り込みやすいため、タオルやダンボールで塞ぐだけでも効果があります。

家の中でも特に冷え込みやすいのは、廊下や洗面所など暖房の恩恵を受けにくい場所です。

停電時は無理に家中を暖めようとせず、家族が集まる一部屋に絞って保温対策を集中させるほうが、限られた対策でも効果を感じやすくなります。

体を温める際は、首・手首・足首など、皮膚の近くを太い血管が通っている部分を優先的に温めると効率的です。

使い捨てカイロや厚手の靴下、毛布を活用しながら、無理のない範囲で寒さをしのぎましょう。

高齢者や乳幼児がいる家庭は、特に早めの対策を心がけてください。

5. 地震・台風の前にできる室外機の備え

5-1. 転倒・浸水を防ぐ設置の工夫

室外機のトラブルは、実は設置時の工夫である程度予防できます。

強風が吹きやすい場所には、軽い樹脂製の置台ではなく、重量のあるコンクリート製の置台を使うのが基本です。

置台の下に防振パッド(ゴム製の緩衝材)を敷くと、強風による位置ずれの予防にもつながります。

浸水対策としては、地面から少し高さのあるブロックや専用の台の上に室外機を設置することも有効です。

過去に浸水したことがある地域や、周辺より土地が低い場所にお住まいの場合は、新築・買い替えのタイミングで設置位置そのものを見直すことも検討する価値があります。
対策期待できる効果
コンクリート製の置台+防振パッド強風による転倒・位置ずれの予防
金具での壁面・基礎への固定地震・突風時の転倒予防
正面・背面に強風が当たらない向きで設置風圧による負荷の軽減
すでに設置してある室外機の向きや置台を後から変えるのは難しい場合もありますが、金具による固定は後付けできることが多いため、心配な場合は一度業者に相談してみるとよいでしょう。
POINT

使っていない室外機は撤去しておくのが安心

特に高層階のベランダに、使わなくなった室外機をそのまま放置しているケースは要注意です。固定が緩んでいても気づきにくく、地震や台風の際に落下すれば重大な事故につながりかねません。使う予定がないなら、早めに撤去しておくことをおすすめします。

5-2. 台風・大雨シーズン前のチェックポイント

台風や大雨が予想される時期は、事前の点検がそのまま被害の軽減につながります。

室外機の周囲に物が置かれていないか、置台がぐらついていないかを確認しておくだけでも、いざという時の安心感が変わってきます。

特に、植木鉢やゴミ箱、物干し竿など、強風で飛ばされやすい物を室外機の近くに置いていないかは見落としがちなポイントです。

これらが室外機本体や周囲の物にぶつかることで、思わぬ破損につながることもあります。

台風が接近する前日までに、ベランダや庭まわりを一度見直しておく習慣をつけておくと安心です。
⚫︎室外機の周囲に飛ばされやすい物を置いていないか
⚫︎置台や固定金具にぐらつきがないか
⚫︎大雨・強風が予想される場合は一時的なカバーの検討
⚫︎カバーを付けた場合、運転再開前に必ず外す
一時的にカバーを装着する場合は、強風で飛ばされないようしっかり固定し、天候が落ち着いたら運転再開前に必ず取り外してください。

カバーを付けたまま運転すると、故障の原因になることがあります。

毎年同じ時期に台風が接近する地域では、シーズン前のチェックを年中行事として習慣化しておくと、確認漏れを防ぎやすくなります。

まとめ

まとめ
地震や台風でエアコンが使えなくなる原因は、停電だけでなく、室外機の転倒・浸水・位置ずれといった物理的なトラブルも少なくありません。

いずれのケースでも共通しているのは、自分で無理に対処せず、まず専門業者へ相談することです。

見た目に問題がなさそうでも、内部で配管の損傷や漏電のリスクが隠れていることがあります。

台風・大雨シーズン前には、置台や固定金具の状態を一度見直しておくことで、いざという時の被害を減らすことができます。

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代表のイラスト
この記事を監修した人

株式会社Stelair(ステレア)

代表 天野

所有資格:第二種電気工事士・一般建築物石綿含有建材調査者・石綿作業主任者
湘南エリアを中心に、エアコンの取り付け・取り外し・点検・修理を担当。

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